みなさんは暗記する時どのような方法でしていますか?
暗記は寝る前にする方が良いということは、最近ではかなり知られるようになったと思います。
今回は改めてなぜ睡眠前学習が長期記憶に良いのか、またどのようにすれば最も効率的に長期記憶に繋げられるのかの実践方法についてまとめることにしました。
暗記が苦手という人は実践法だけでも確認しておいた方がいいですよ!
睡眠と記憶のメカニズムについて
長期記憶のコツを知るためにはまずは睡眠と記憶のメカニズムについて知っておく必要があります。
睡眠にはレム睡眠とノンレム睡眠があるのはご存じだと思います。
レム睡眠は脳が活発に動き体を休ませる浅い睡眠で、ノンレム睡眠は脳を休ませる深い睡眠です。
二つの睡眠は約90分ワンセットになっていて、仮に7時間半寝たとするとレム睡眠とノンレム睡眠を各5回繰り返すことになります。
90分の倍数で起きるとスッキリ目覚められるというのは、なるほど眠りの浅いレム睡眠の時に起きるということで理に適っているわけですね。
(画像出典:【睡眠の偉大な効果】実験データで分かる眠りの大切さ)
実は記憶に限った話で言うと、ノンレム睡眠は記憶の固定化、レム睡眠は記憶を思い出しやすいように整理するといった役割があります。
ノンレム睡眠は睡眠時間が長くなるとともに眠りが浅くなりますが、記憶の固定については睡眠後半の浅いノンレム睡眠が特に効果が高いとされています。
またレム睡眠は睡眠前半はわずか数十秒ととても短いのですが、睡眠後半になると30分ほどと大幅に伸びます。それが何を意味するかというと、それだけ記憶を整理する時間が増えるということです。
要約すると、睡眠後半の浅いノンレム睡眠で効果的に記憶を固定化し、同じく睡眠後半の長いレム睡眠でしっかりと記憶を整理し思い出しやすい状態にする。
これが記憶を固定化し長期記憶に繋げるメカニズムなのです。
睡眠前の暗記が良い理由
記憶については分かりましたが、なぜ睡眠前の暗記が良いとされるのでしょうか。
どうして他の時間帯ではなく、「睡眠前」なのか。
これに関しても先ほどの睡眠と記憶の関係で説明が付きます。
先ほどのグラフの通り、睡眠直後にはノンレム睡眠が訪れます。
ノンレム睡眠は記憶を定着させる睡眠でしたね。
こちらの記事ではノンレム睡眠による記憶の定着を裏付ける、興味深い内容が分かりやすく書かれていました。また睡眠の様々なメリットも見やすいデータと一緒に紹介されていたので、もし興味があればご覧ください。
http://alldiylife.com/momorize_words_before_sleeping/
睡眠前学習を利用した長期記憶の実践方法
メカニズムを理解したうえで、実践したいことは
1、睡眠前に記憶したい事を詰めこむ
2、睡眠時間をしっかり取る
3、起床後に復習をする
の3つです。
睡眠前に情報を詰め込むことで、初回のノンレム睡眠の恩恵を受けられます。
睡眠前の時間に関してですが、やはり30分を目安に時間が足りなければ少し伸びてもいいと思います。
また睡眠時間をたっぷりとることで、睡眠後半のレム睡眠の恩恵を受けることが出来ます。
睡眠時間が短いとせっかく学習した内容も定着されにくく、ひいては思い出しにくくなってしまいます。
勉強で忙しかったとしても、なるべく6時間から7時間半の睡眠を確保しましょう。
最後に
起床後に復習をする
これ、非常に大事です。
いくら睡眠前学習が効果的だからといっても、当然学習したことの100%を記憶しているわけではありません。
エビングハウスの忘却曲線によると、人の記憶は20分後には58%に、1日後には33%にまで落ちるとされています。(※忘却曲線については解釈を簡素化しています。詳細についてはWikipedia-忘却曲線でご確認ください。)
記憶を長期のものに固定するためにも復習は不可欠です。
私も英単語の暗記は就寝前ふとんに入った状態で行い、朝の身支度をしている時か通学の電車の中で復習をしていました。
私の場合は+αで復習をしていましたが、そのおかげあってかセンター英語では9割以上を獲得しました。
まとめ
睡眠と記憶は密接な関係にあります。
今回記事を書くにあたって、詳しく調べたところ睡眠には他にも嫌な記憶を忘れやすくする効果や運動能力の向上効果があったり、睡眠の影響の大きさに驚かされました。
「人生の3分の1は寝ている」
日本人は睡眠を蔑ろにしがちな民族なので、いま一度睡眠の重要性に目を向けても良いのかもしれませんね。
みなさんも良い睡眠をとり、是非学習に役立ててください。
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