桃は追熟が必要?甘くなる?追熟の真相を桃農家が本格解説!

桃のあれこれ

どうも、桃農家のgeradeausです。

たいていの人は、桃は高価でなかなか食べる機会も少ないのではないでしょうか?

せっかくなので最高のタイミングで食べたいですよね。

 

今回は桃は追熟が必要なのか、また追熟すると甘くなるのか、農家ならではのマニアック満載、ガチ解説でお届けしようと思います。

岡山の桃農家なので、岡山白桃をベースに話を進めていきます。

 

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桃は追熟が必要?どれくらい追熟するの?

桃は追熟が必要か。

これはケースバイケースですが、だいたいの場合でYESです。

 

流通している桃は基本的に輸送に耐えられるように、完熟になってしまう前に収穫しています。
消費者の方の手に渡る時には適熟になっている場合もあるので、この時はすぐに食べてください。

岡山白桃で言えば、おかやま夢白桃(8月上旬)までの品種であれば指で皮がすっとめくれるくらいで適熟です。

 

問題は8月中旬以降、お盆後の品種です。

瀬戸内白桃や恵白は追熟が適切にされているかどうかで食味が大きく異なってきます。

柔らかい状態で食べたければ、桃のてっぺんを押して柔らかさを感じてからが食べごろです。

 

日数で言うと、8月までの品種は収穫後2~3日もあればかなり柔らかいですし、収穫時の熟度によってはすぐに食べてもOKです。

8月中旬以降の品種は収穫後5日から1週間は追熟させます。

白麗や川中島白桃も晩生の特徴が強いので、柔らかめで食べたい方はしっかり待つとトロっと食べられるくらい熟しますよ。

 

なぜこんなに追熟の日数に差が出来るの?

ここからマニアックな話。

桃は熟す際にエチレンと呼ばれる植物ホルモンを出します。

このエチレンは果実を熟させ、軟化させる役割を果たします。

8月初旬ごろまでの桃はエチレンの発生量が多く、果実の軟化が非常に速いペースで進みます。

一方で腐るのが早くなるというデメリットも生まれます。

8月中旬以降の桃はエチレンの発生が緩慢になり、果実が熟すまでより時間がかかるようになります。

瀬戸内白桃からはこの特徴が顕著で、恵白含めその後の品種は特に時間がかかります。

晩生の桃が「日持ちが良い桃」と表現されるのは、こういった特徴があるためです。

また一部、桃水や他県の桃”おどろき”のように硬肉種の品種もあり、ほとんどエチレンを発生させず果実が本当に軟化しない品種もあります。

 

ただそういった一部の例外を除けば、ほとんどの場合は硬い桃というのは誤りで、適熟まで想像以上に時間がかかるために食べごろになる前に食べてしまった結果、「硬い桃」と呼ばれるようになっていると感じています。(個人の意見です。)

晩生の桃はしっかり待ってください!熟す前と後では別物になりますよ!

 

桃は追熟で甘くなる?

これは糖度の面で言うとNoですが、味覚の面で言うとYesです。

桃は収穫時に糖度が決まり、追熟しても糖度の変化はほとんどありません。

 

ただし追熟によって果実が軟化することによって、食べた時の甘味度は驚くほど変わります

人間の舌には味蕾という小さな突起が多数存在します。味蕾は味を感じる上で重要な役割を担っています。

桃が硬いと、味蕾が味を感じ取るほど食材が細かくなる前に飲み込まれてしまうため、食べた時に甘さを感じにくくなってしまいます。硬い桃は噛めば噛むほど甘くなるのは、食材が細かくなり味蕾との接触率が上がるからです。

熟した桃はそもそも味蕾への接触率が高いため、硬い桃に比べて大幅に甘いという印象になります。

 

追熟に時間がかかる晩生の桃は非常に高い糖度です。

上手に追熟すると別次元の美味しさですよ!

 

まとめ

マニアックな内容になりましたが、どうでしたでしょうか?

晩生の品種が増えたことにより、岡山の桃は昔に比べドンドン出荷期間が長くなっています。

晩生の桃は早生品種に比べ糖度が安定して高く、品質も安定しているため、個人的にはハズレを買いたくなければお盆後に買ってくださいと言いたいところです。

しかしながら追熟が必要な晩生の桃はメロンに近いものがあり、正しい追熟が出来ていないと実力の半分も出せず、正当な評価を受けられていないのでは?というのが今の印象です。

 

追熟の真相と言いつつ晩生桃のアピールになってしまいましたが、この記事を読んで晩生の桃のファンが増えて、長い期間桃を楽しんでくれる方が1人でも増えることを願っています!

1人でも多くの方に美味しく桃を食べてもらいたいので、ぜひ下のSNSリンクでシェアしていってください!ペコリ

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