くだもの王国岡山で桃づくりをして暮らしていると、ブドウ農家からおすそ分けを頂いたり、興味のある品種は買ってみたりと、実はブドウを食べる機会も多いです。
マスカット・オブ・アレキサンドリア、シャインマスカット、名の通ったマスカットももちろん大好きですが、そんな中で最も美味しかったのが「マスカットビオレ」。
この感動的な美味しさを多くの人に知ってほしいという思いで、私が個人的におススメしたいブドウ、マスカットビオレについて書いていきたいと思います。
マスカットビオレはどんなブドウ?
マスカットビオレは甲斐路と紅アレキを交配させてできた品種です。
マスカットと名前についていますが、マスカットと聞いて思い浮かべる緑色ではなく、紫色をした珍しいブドウです。
ビオレはフランス語でスミレ、紫色を意味し、綺麗なものは本当にルビーが並んでいるかのような美しい見た目をしています。
マスカットビオレはアレキと双璧を築く品種として検討された過去があります。ただ栽培面でアレキと比較して裂皮が発生しやすいという難があったため、岡山県の推奨品種にはなれず栽培が広まらなかったため、現在のように希少品種として流通することとなりました。
本当かどうか、マスカットビオレを栽培している農家は岡山県下でも10軒というのは、こういった背景から生まれているのです。
マスカットビオレを食べた感想【味や食感の特徴】
まず前置きとして言っておきたいのですが、私はシャインマスカットよりマスカット・オブ・アレキサンドリアの方が好きです。シャインも甘くて美味しい上に、種がなくて食べやすいです。しかしマスカットの女王と言われる所以でもある「アレキの香り高さ」、ここには到底及ばないと思っています。
マスカットビオレはその香り高いアレキに負けない、ともすればアレキすら凌ぐマスカット香を持っているのです。そのうえで、アレキ最大の欠点ともいえる「種がある」というポイントもクリア。糖度もシャインと肩を並べる程。しかも程よい酸味もある分、シャインのように甘みだけを強く感じることがなく後味がすごいさっぱりしているんです。シャインは何個か食べたら甘いし、「もうこの辺でいいかな」って気持ちになるんですが、マスカットビオレは本当に止まらなくなります。
食感についてもアレキ、シャインと同様に皮ごと食べられるので、食べるときのパリッと感がとてもいいです。しかも皮ごと食べられるとは言いながら、すこし口の中に皮が残るアレキとは違い、かなり皮も薄く皮ごと食べても全く気になりません。口の中で皮が弾けた瞬間に広がる香り高さこそが、この品種最大の魅力だと思います。
これはマスカットビオレ(左上)、ピオーネ(右上)、マスカットオブアレキサンドリア(左下)、シャインマスカット(右上)の断面図を比較した画像です。
下2つは皮と実の色が同じで皮の薄さは判別しにくいですが、皮は食べられないピオーネに比べて他3つは皮が薄いのがはっきり分かります。
上述の栽培に少々難がある点を除いては、正直今世紀最高のマスカット品種だと確信しています。
マスカットビオレを買うには
岡山に住んでいる私からすれば、是非直売所を訪れてみてと思うのですが、さすがに来られる方ばかりではないので、現実的にはネットショップが妥当でしょう。
個人から仕入れて販売しているとこもあります。競争率が高そうですね。
ネットショップは正直値段が高いので、来れるのならば岡山県内の直売所に行くのが一番です。
ただし直売所に行っても生産軒数が少ないので、置いてあればラッキーです。一応確実に取り扱いがあるのは
このあたりに9月下旬にいくと置いてあると思います。
2019年現在、私は9月10日にマスカットビオレを買いました。
あとは将来品種自体無くなってしまうかもしれないので、究極の話、苗木を買って自分で育てるという選択肢もありかもしれないですね。
まとめ
岡山県ではアレキの栽培面積が年々減ってきています。理由はやはり種無しで手軽に食べられるシャインマスカットに市場を奪われているというのが主な原因です。栽培面でもシャインは病気にも強く栽培しやすい品種で、しかも販売する時の相場が他のブドウに比べて高いことから農家からも人気です。
ですが、マスカットビオレやマスカット・オブ・アレキサンドリアは本当に魅力のあるブドウであり、果物界のトップに君臨する一品であり、まさに逸品だと思います。
今後も栽培面積は減少の一途を辿ることでしょうから、一度も食べたことがないという方は手に入るうちに食べてみることをお勧めします!
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