多汗症は突然やってきました。
悩み、苦労し、病院にも行って、色んなステップを経てようやく治ったと言えるレベルまで回復しました。
治るまでの間に多汗症を治そうとすると、どんな事が起こるか色々経験したので治るまでのプロセスを書いていきます。
最初にこれだけは言っておきたいのですが、汗めっちゃかいても仕事出来るし、結婚も普通に出来るよ!ただ、治すのは時間かかるよ!
わき汗を止める方法
大学生の時にひょんなことから汗が気になり始め、次第に汗への焦りはエスカレートし、一番ひどい時には大学の講義中の90分の間にわき汗で肘までシミが出来るレベルでした。冬だろうと汗は出続け、常に小さめのタオルで汗をぬぐう。
汗が止まるのはお酒を飲んだ時と寝ている時、1人でいるときと家族だけでいる時。
そんな日々を過ごしていました。
その間、汗を止めるための市販薬を色々試したのですが全く止まらず、遂に病院に行くことに。
そこで処方された薬こそが、凄まじい威力で汗を止める薬でした。
薬の名前は「オスミローション」。
有効成分は塩化アルミニウムでした。
この薬を風呂上りなどに脇に塗り乾燥させると、信じられないレベルで汗が止まるんです。
ここで大事なのはしっかり乾燥させること。
塗り忘れたりして、出かける前にサッと縫って急いで出ていくと普通に汗が出てきました。
この薬、値段も高くなくてプラスチック製で100~200㎖くらいの容器入りで、毎回400円台だった気が。。。
それで3か月から半年くらいもってたと思います。
これで元の生活に戻れる。
と思いきや、ここから更なる多汗症の深みにはまっていきます。
代償発汗が始まる
代償発汗とは、本来排出されるはずだった汗が出口を失い、結果違う場所から発汗する現象を言います。
水道だって出口を塞がれれば、どこかが爆発しますよね。それと一緒みたいです。
私の場合、まずは背中に現れました。
ならばと、今度は背中にも薬を塗るようになりました。
それで一応は止まるようになるのですが、次は足の裏、手、お尻、さらには額。
汗は場所を変え、止まることなく出続けるのです。
一応全ての場所に薬を塗ったことがあるのですが、経験的に手のひらと足の裏は塩化アルミニウムを塗っても止まりにくかったですし、額は単純にかゆみが強かったです。まぁ脇に塗ってもかゆいですが。
これは根本的に治療しないとダメだと思い、多汗症の原因と思われるメンタル面からの治療を始めることにしました。
多汗症治療で診療内科へ
私の場合、多汗症の原因は確実に汗のことを意識してしまいすぎることにありました。
症状の説明はするのですが、特にメンタルケアを行うわけではなく、ここでは飲み薬が処方されます。
名目上は「汗の事があまり気にならなくなる薬」として出されるのですが、不安を取り除く薬ということで鬱病にも処方される薬だったと記憶しています。
薬を飲んでも汗は治まる気配を見せず、薬は一段階強いものになりました。
数か月ほど続けたのですが、改善が見られなかったために行くのを止めることにしました。
ただこの時の私は気づいていませんでした。
この薬には禁断症状があったのです。
それは薬を飲まなくなってからすぐに現れました。
強烈でないにしても、常にめまい、吐き気がするのです。
耐える事数日、ようやく禁断症状がなくなるのですが、なかなかハードな経験でした。
調べると薬の強度や服用期間で禁断症状の強弱が決まってくるみたいですね。
治療で診療内科を選択される方は、やめるときのことも考えて薬を選択されると良いと思います。
ただ診療内科は正直に言って個人的にはあまり成果が無かったのですが、良かったことを一つ挙げるとすると、診療中に先生の言った言葉である「多汗症は社会的に活躍し自信がつくようになれば治っていく」という言葉を聞いた事くらいです。
この言葉は今考えると、実行し難いですし時間がかかりますが極めて真理だと思います。
再びわき汗だけを薬で止める日々
色んな箇所の代償発汗と戦うのも疲れ、再びわき汗だけを止めることに専念しました。
代償発汗は背中と足の裏がメインになり、サンダルを履くことが多くなりました。
またこの時期には社会人になり営業として働いていたのですが、上司を乗せての車の運転の際はめちゃくちゃ手汗をかいたことを覚えています。
プライベートでは結婚もしました。付き合ってる時に代償発汗ピークだった頃は、真夏にひまわり見に行った時とか10分に1回くらい背中拭いてもらったな(笑
そうこうしていると仕事やプライベートが充実していく中で、心にプレッシャーが重めに掛かる時以外は以前ほど汗をかかなくなっていることに気が付きました。
農家になりほぼ完治する
会社に入り3年半が経ったころ、自分がやりたいことをやるために農家になりました。
農家という環境は常に1人であり、汗をかくことに対して人の目を気にせずに済みます。
人にあったとしても、基本農業仲間ばかりでみんな肉体労働しているので汗なんかかいて当たりまえ。
今まで頼りに頼ってきた塩化アルミニウムを使う頻度がどんどん低くなっていき、
そして全く塗らなくなる日が来るのです。
社会経験を積み精神的に安定してきた上に、汗のことを考えなくていい環境に来た事。
ここで遂に多汗症がほぼ治ったという状態になりました。
まとめ
多汗症は物理的に抑え込もうとすると、人によって程度の差はあると思いますが私の場合は凄まじい代償発汗が起きました。
結局治すにはメンタル的な成熟、もしくは汗を気にしなくていいような環境に身を置くなどの根本的な変化が必要だと思いました。
今でも大きな集まりなどに行くときはワキに多少の汗をかきますが、一応市販薬で凌げるくらいなのでもう普通の人と大きく変わらない程度にはなったかなと思っています。
悩みだしから7年くらいは症状がありましたが、なんとかここまで来ました。
この記事が、今多汗症で悩まれている方の参考に少しでもなれば幸いです!
コメント